ゾイドオリジナル (ZOIDS ORIGINAL)

ストーリー

後編『焔の翼竜と紅蓮の飛行隊』登場機体・人物紹介へ

【1】
レッドの元に突如、通信が入った。
「レッドよ、このモット・ハンターが相手だ。帝国軍時代から同じ名を挙げたパイロットとして貴様のことは耳にしていた。このレドラーの撃墜マークに貴様の炎の紋章を刻んでやろうではないか!」
モットがアフターバーナーの点火をスタンバイすると、シンカーの群れが一斉に道を開けた。闇が取り払われ、両翼を大きく広げたレドラーが威風堂々と現れた。
「モットか、嫌な相手だぜ。…ちっ、バーナーを吹かし過ぎたか。エネルギー残量が少なくなってきた。グラム、援護を頼む! グレイス、スミス、残りのシンカーは任せた! こいつは俺たちがやる」
「おう! お前といりゃ、最悪な状況はつきものだ。やってやろうぜ」
その時、二人の会話にスミスの声が割り込んで入った。
「こっちの心配には及びませんよ。このくらいの制空権を確保できないと僕の面子に関わります。ただちに掃討戦に入ります!」
「こちら、グレイス。あくまで任務は敵基地の爆破ですが、隊長にはそんなことを言っても聞きませんからね。こっちは任せてください」
レッドとグラムは、赤い閃光の尾を引きながらフルドライブ状態で一気に垂直上昇し、上空で反転した。2機は急降下をかけ、レドラーへウイングソードによる突撃を仕掛けた。
矢継ぎ早の攻撃を回避しながら、尾のブレードで応戦するモットであったが、レッドは、すぐさま逆噴射を使って瞬時に背後に着き、ウイングソードによってレドラーの後肢の一部を切断した。
さらに、グラムがきりもみ旋回でシンカーの砲撃を避けながら、2門のパルスレーザーガンをレドラーめがけて発射したが、モットは予想していたかのように急旋回し弾は空を切った。

【2】
「そんなものか、レッドとグラムよ! 噂通り、甘い戦い方だな。このまま一気にケリをつけてやる、そこだ!」 モットは姿勢を立て直して急加速し、グラムに照準を合わせて突撃すると、すれ違い様に切断刃でその片翼を斬り裂いた。
グラムは飛行姿勢の維持が精一杯となり、戦線からの離脱を余儀なくされた。

「大丈夫か、グラム!? く、くそ…エネルギーが底を尽きそうだ!
フレイムスラッシュも残り1発が限界か…」 止めを刺そうとフルドライブ状態で機を伺うモットを眼前に、窮地に追い込まれたレッドは隊員たちに交信を送った。
「こちらレッド! フレイムスラッシュを使い、一気に片付ける!皆、爆撃マーカーが射ち込まれた敵基地の爆破ポイントへ向かえ!」
乱れていた隊員たちのモニターが一瞬回復すると、その中に映るレッドは静かにうなずき、マスクを外して一呼吸を置いてから、野太い声で飛行音をかき消すほどに叫んだ。
「この空の自由を奴らなんかにくれてやるわけにはいかねぇぜ!!!」
レッドは、右グリップを回しアフターバーナーを点火。最大の加速状態となった愛機でレドラーにフレイムスラッシュによる決死の突撃を掛けた。

【3】
「よ、避けきれん…!! ぐああ!!」 フレイムスラッシュによって引き裂かれるレドラー。
凄まじい爆発が起こるその中を突抜け、さらに加速していくレッドは、爆撃マーカーに向かって超高速で降下した。
「まだこれからだ。俺はこのまま目標の爆撃マーカーを貫く!各機、俺に続いて単縦陣でフライムスラッシュを仕掛けろ!」
「こっちは片翼が破損しているっていうのに…相変わらず無理言ってくれやがるな。だが、乗ってやろうじゃないか!」
「こちら、グレイス。想定外に基地の規模が大きい。爆破をするにはそれしかないようですね。続きます!」
「確かに1発のフレイムスラッシュでは破壊は無理だが…あなたに賭けますよ、隊長!」
翼に炎を宿した4機のストームソーダーFSVが突撃陣形を組んで急降下するその姿は、まるで火口に飛び込む炎の不死鳥のようであった。

…やがて水平線に一際強い光が瞬いた。
目に焼き付くほどの強い光の衝撃が基地から放たれ、辺り一面に光のベールを被らせて巻き起こる大爆発。
その誘爆によって散り散りに落ちていくシンカーたち。

まもなくして4機のストームソーダーFSVが、炎の軌跡を描きながら舞い戻った。
この突撃によって改造実験基地内は次々と崩れ落ちていき、ブッカーは慌てふためきながら脱出口へと逃れた。

【4】
ストームソーダー飛行部隊の決死の活躍によって、連邦軍のストーム作戦は成功を収めた。改造実験基地の上空を覆っていた分厚い暗雲は消え去り、地平から昇ってくる陽が、彼らを讃えるかのように強く照らした。
4機のストームソーダーFSVは、グレイスとスミスが傷ついたレッド機とグラム機を低速で護衛しながら、無事基地へと帰還した。
グラムに肩を支えられながら地上へと降り立ったレッドに対し、グレイスとスミスは最敬礼で迎えた。
後日、隊員たちは偉大な任務を遂行したレッドに尊敬の念を込めて、自機のストームソーダーの片翼にそれぞれ炎の紋章を刻み込んだ。
以後、この飛行隊は「レッドバード」の愛称で呼ばれた。

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