ゾイドオリジナル (ZOIDS ORIGINAL)

ストーリー

前編『強すぎた遺伝子』登場機体・人物紹介へ

【1】
中央大陸戦争末期、帝国領。 シールド装甲板を装備したカノントータス遊撃隊支援タイプで編成された共和国部隊が、重火器とミサイルランチャーを発射させながら猛進。
帝国首都防衛ラインの前線を力強く押し上げようとしていた。
帝国首都宮殿内の司令室は、この帝国存亡の危機的な状況を打破すべく、新たに開発中の暴君竜型ゾイド、ジェノザウラーの完成が大幅に遅れていることで、混乱に拍車がかかっていた。
司令官の1人、ブッカー・グリーンは激しく床を踏み鳴らしながら司令室中に声を響かせた。
「もう我慢ならぬ、ジェノザウラーの到着はまだか!? このままだと我が軍は敗北してしまうぞ!」
「早まるな、あの機体はまだ実験段階にあり、実戦投入出来る状態ではない」
「それならば、どうするというのだ?」
他の司令官に冷静な声で一喝されたブッカーは、頭に血が上って、怒鳴り散らした。
その時、司令室へ伝令が入室。ジェノザウラーテスト機が実戦演習に入る、という帝国軍科学者デモンからの報告がもたらされた。

【2】
数日後、帝国軍演習場。 閲兵バルコニー上でブッカーと司令部の面々が見守る中、中央の扉からジェノザウラーが現れ、シールドライガー鹵獲機と実戦演習を開始した。

ジェノザウラーは、高い格闘能力であっさりとシールドライガーを大破させた。
自らの強い意思を持つジェノザウラーは物足りぬ様子で、パイロットの制御をはねのけ、すでに機能停止したシールドライガーへむごたらしい追い討ちをしかけていった。
「まさにデスザウラーの遺伝子を受け継ぐ虐殺竜だな・・・これを乗りこなせるパイロットなどいるのか・・・?」
この残虐性を見ていた司令官たちは、固唾を呑みながら同じことを感じていた。
「・・・さて、これからが本番だ」
演習場の様子を遠目に見ていたデモンがそうつぶやくと、演習場の扉が再び開き、二刀の大剣と高機動バーニアを装備したヤークトジェノが姿を現した。

【3】
このジェノザウラーの改良型、ヤークトジェノこそがデモン最大の開発機体であり、従来のゾイドよりも圧倒的な戦闘能力を持つ新型ゾイドであった。
ヤークトジェノの出現に、シールドライガーに執拗に追い討ちをかけていたジェノザウラーは、敵意を剥き出しにして怒りの咆哮をあげた。
放熱フィンを開いて集束荷電粒子砲の発射形態をとるジェノザウラーに対し、ヤークトジェノは背中に下げた大剣『ドラグーンシュタール』を抜くと同時に、頭頂部のブレードを前に倒し、バーニアを左右に開いて、“構え”を取った。

両者の共鳴した咆哮が戦いの狼煙となった直後、ヤークトジェノはバーニアを噴射し、ジェノザウラーの集束荷電粒子砲をすばやく横に回避。
そのまま低い姿勢で滑り込むように急接近すると、天に振りかざした大剣を斜めに振り落とし、その胴体を両断した。

半開きの胸部コックピットからパイロットが投げ出され、崩れ落ちていくジェノザウラー。一瞬の出来事! 恐るべき運動性能とスピード!
その光景を見ていた一同は静まり返った。
すると突然、ヤークトジェノは閲兵バルコニーの司令官たちに牙を剥き、鋭いクローでバルコニーの前壁を切り裂いた。前壁が崩れ落ち、崩落する寸前のところへ、上空からシュトルヒが飛来した。

シュトルヒの脚部に取り付けられた節足型アームがヤークトジェノの額をつかむと、ヤークトジェノは暴走を止め、機能を静止した。
シュトルヒの中から現れたデモンが、大惨事をよそに、平然とブッカーたちに実戦演習の終了を告げた。

「申し訳ありません、搭載した新システムはゾイドとパイロットの連携を深め、戦闘力を上げますが、パイロットにかかる精神的負荷も大きく、現状では兵器として運用するには問題があります」

シュトルヒに乗って改造実験基地に戻る途中、デモンはコックピットから地上を見下ろしながら一人つぶやいた
「計画通りだ。帝国には兵力を残しているうちに負けてもらう」

【4】
ジェノザウラーとヤークトジェノの高い戦闘能力に惹かれたブッカーは、他の司令官たちに二機の実戦投入を激しく迫ったが、敵味方関係なく襲いかかる危険性と、これらの機体を乗りこなすパイロットが見当たらないという理由で実戦投入は見送られてしまった。

あの実戦演習後、ジェノザウラーとヤークトジェノのパイロットは精神に異常をきたし、人が変わったように凶暴な性格となっていたのだった。
やがて、ブッカーは失意のまま、皇帝がいるであろう首都宮殿へ向けて頭を深く下げ、帝国軍から姿を消した。
その数ヶ月後、陥落寸前の帝国首都宮殿。 共和国軍主力部隊との激しい首都攻防戦の末に、帝国軍皇帝は燃えさかる業火に包まれた宮殿から逃亡、親衛騎士団に守られて首都から脱出した。
これは帝国軍の敗北と同時に帝国の崩壊を意味し、ここに中央大陸戦争が終戦した。

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