STORY

「なんだと…コンボイ! お前も新しいボディを得たのか!」
使徒と一体化し巨大なボディを得たスタースクリーム…使徒スクリームが声をあげる。その前に立つは、エヴァンゲリオン初号機をスキャンし通常のトランスフォーマーを遥かに越えるサイズの紫の巨人となった、サイバトロン総司令官コンボイ・モードエヴァだ。

胸部装甲を閉じ、静かに使徒スクリームをにらみつけるコンボイ。周囲のビル群に登ったサイバトロン戦士達がおそるおそる声をかける。
「司令官! だ…大丈夫なんですか!?」
「ああ…私なら大丈夫だ。不思議な感覚だが…。」
不安そうなランボルに巨大なコンボイが答える。意識ははっきりしているものの、コンボイは今までにない感覚…例えるなら自分の中にもう一つ新たな生命が宿ったような、そんな気持ちでいた。
「俺様と同じ大きさになっただけで勝てると思うなよコンボイ!」
使徒スクリームの胸部に浮かぶ使徒の顔、その瞳が光ったと思うと幾つもの光弾がコンボイめがけて発射される。コンボイは背後にあるエヴァンゲリオン初号機を一瞬だけ見ると、それをかばうように自身の身体で光弾を受け止める。
「お前の好きにはさせんぞ! スタースクリーム!」
コンボイは自分と同サイズに巨大化した愛用のレーザーライフルを取り出し、使徒スクリームへと反撃を試みる。だがその銃撃は使徒スクリームのボディに届くことはなかった。
「何…! 効いてないだと?」
使徒スクリームの前にバリアのようなものが展開され、銃撃をすべて防いでしまったのだ。
「A.T.フィールド…! やはりあの巨大なトランスフォーマーは使徒の力を吸収しているのね…!」
司令部で戦況を見ていたミサトがつぶやく。完全に想定外の事態にネルフ本部は騒然としていた。
「ヘヘヘ…こいつはすげぇ能力だぜ、この力があればガルバトロンの奴にももう負けやしねぇ。」
「だが!」
そう言うと使徒スクリームはコンボイに向かい飛びかかる。とっさのことに反応が遅れたコンボイは、首を使徒スクリームの鋭いツメでつかまれ宙吊りにされてしまった。
「まずはコンボイ、長年の恨み積もるお前から始末してやる。サイバトロン総司令官のお前を倒し、俺様というデストロンニューリーダーの誕生を全宇宙に轟かせてやるぜ!」
すると使徒スクリームの腕についている巨大化したナルビームキャノンから光の杭が伸び、そのままコンボイの頭部へと打ち付けられる。ナルビームパイルとも呼べるそれは何度も繰り返し伸縮し、徐々にコンボイの頭部装甲にダメージを蓄積していった。
「ぐっ! うぉぉぉ…!」
使徒スクリームの腕を掴みながらコンボイは苦悶の声をあげる。周囲のサイバトロン戦士達はなんとか司令官を援護しようとするも、2体の巨人とのサイズ差に圧倒され攻めあぐねていた。その時ホイルジャックが通信電波を感知し、回線を合わせる。
「こちら特務機関ネルフ作戦本部の葛城ミサトです、聞こえますか?」
聞きなれない組織の名前に一瞬躊躇するも、ホイルジャックは応答する。
「我輩はサイバトロン軍団のホイルジャック、そのなんたらって組織が一体何の用かね!?」
宇宙人であるトランスフォーマーとの初めての対話だが、通信先から聞こえるどこか気の抜けた口調にミサトは面食らうも、気を取り直し用件を伝える。
「こちらが準備していたエヴァが動かない以上、使徒の殲滅はあの巨大なトランスフォーマーに賭けるしかない。今から言うことをよく聞いて!」

「フフフ…そろそろ頭に風穴が開くぜ。コンボイ、いくら貴様でももうお終いだな。」
使徒スクリームの執拗なパイル攻撃によりコンボイの頭部に亀裂が走る。だがその時、使徒スクリームへと銃撃が放たれた。
「ん…なんだ、クズ共か。」
それはサイバトロン戦士達の攻撃であったが、サイズ差に加えA.T.フィールドもある使徒スクリームにはまったく効果はなかった。
だが…。
「スタースクリーム! そんなに大きくなったら自慢のスピードはもう発揮できないだろ! オイラ達を捕まえることもできないんじゃないの!?」
バンブルがビークルモードで挑発するように使徒スクリームの足元を走り回る。
「ん…なんだと? この俺様をなめるなよチビが!」
使徒スクリームはコンボイを掴んだままバンブル達を踏み潰そうと追いまわす。だがやはり新しいボディのアンバランスな体型になれてないのか、思うように追いつくことができず引っ張りまわされる。
「来た! 今よ!」
するとミサトの号令と共に突如使徒スクリームの足元の道路が変形し、めくれ上がった。サイバトロン戦士達はミサトの指示の元、このポイントまで誘い出していたのだ。
「な、何?!」
使徒スクリームはまんまとバランスを崩し、コンボイを掴んでいる手の力を緩めてしまう。その隙を見逃すコンボイではなかった。
「うおおお!」
一気に使徒スクリームの腕を引き剥がし、強烈なパンチを見舞う。だがそのコンボイの鉄拳さえもA.T.フィールドの前に受け止められてしまう。
「効かないというのがわからねえかコンボイ!」
その時である、コンボイの右腕から赤い液状のエネルギーがあふれ、みるみるうちにエナジーアックスへと形が変わった。そしてその真紅の斧はまっすぐに使徒スクリームへと振り下ろされる。
「むおおおおっ!!」
A.T.フィールドによりその一撃も受け止められたかに見えたが、エナジーアックスはそのままA.T.フィールドにメリメリと食い込み引き裂いていく。
「あれは…A.T.フィールドを中和…いえ、破壊している!?」
これがエヴァとトランスフォーマーが合わさった力なのかとミサトは息を呑む。
「スタースクリーム…この惑星から去るがいい!」
A.T.フィールドを抜けたエナジーアックスは、そのまま使徒スクリームのボディへと食い込み、スタースクリームと使徒の顔を真っ二つに引き裂いていく。
「ば…バカな…この俺様が…畜生ぉぉぉ!!」
エナジーアックスが使徒の体内にある真紅のコアへと到達したその時、スタースクリームのゴーストは使徒の身体から飛び出し、怨恨の叫びをあげながら虚空へと消えていった。残った使徒の身体はコアから鮮血のような飛沫をあげながら、力なく第3新東京市の大地に倒れ伏した。
「勝った…。」
ミサトは呆然とした様子でモニターに映るコンボイの姿に見入っていた。

戦いから数時間後…第3新東京市近辺のネルフ軍事キャンプに、戦いを終え元のサイズに戻ったコンボイの姿があった。その傍らにはコンボイのトレーラーコンテナがあり、ネルフ職員の手によってコンボイ=エヴァの移動整備施設としての改装が行われていた。そこには職員と共に改装を手伝うランボルや、ネルフの研究員と興味深く会話をしているホイルジャックの姿も見られた。
「スタースクリームだけではない…恐らく他のデストロンも再びこの地球を狙いやってくるだろう。」
コンボイが空の彼方を見すえ静かにつぶやく。
「そしてあの使徒と呼ばれる怪物…。 我々と人類は、再び手を取り合い戦う時がきたのかもしれない。」
そこへビークルモードのバンブルがやってきて、ドアを開けると中からミサトが現われる。
「トランスフォーマーか…、ちょっちすごいことになってきたわね…。」
宵闇の中ライトに照らされ浮かび上がる巨大なコンボイ・モードエヴァの姿を、ミサトは不安と期待の混じった表情で見上げるのであった。

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